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今週のユーミンと古き日本の心

（２００２．１２．１４）

天離（ざか）る夷（ひな）の長道ゆ恋ひ来れば明石の門より大和島見ゆ

柿本人麻呂（万葉集巻第三所収）

永い時の涯てへ　今夜帰ってゆこう 　　　　　　 　　　　　　ポーラースター浮かぶ天空 　　　　　　舟に乗って　飛んでゆけば 　　　　　　二人が来た星まですぐ 　　　　　　 　　　　　　見えない　もう何も見えない 　　　　　　 　　　　　　オーロラの舞う平原 　　　　　　手に手をとり　走りだせば 　　　　　　ふるさとの遠い星まですぐ

松任谷由実「Northern　Lights」

歌の通釈「天の中心（都）から遠く離れた地方の長い道のりを、ずっと（都を）恋しく思いながらやってくると、明石海峡から大和の山々が見える」 　この柿本人麻呂の歌は、人麻呂が官命により西国への長い船旅に出た後、任果てて、明石海峡まで戻ってきた時に詠まれたものであり、「大和島」とは、大和（奈良）の方向に見える、生駒、葛城の連山である。都に近い山々の深い緑の峰は、人麻呂に都の風景、そこで自分を待つ妻の事を思い出させ、強い望郷の念を生じさせたと思われるが、このユーミンの最新曲からも、「永い時の涯てへ　今夜帰ってゆこう」「舟に乗って　飛んでゆけば　二人が来た星まですぐ・・・」と言った詞に、極めて強い「望郷の念」を感じ取る事ができるのである。

今週のユーミンと古き日本の心 １９９９年５月〜７月分 １９９９年８月〜９月分 １９９９年10月〜12月分 ２０００年１月〜３月分 ２０００年４月〜６月分 ２０００年７月分〜９月分 ２０００年10月分〜12月分 ２００１年１月分〜３月分 ２００１年４月〜

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